全てはここからの始まり

昭和43年8月14日から3日間のツーリング1000kmの旅がSOOKY5の始まりとも言える。結成記念として東北一周の旅行をしようという。当時にしては、無謀とも言える企画から始まったのである。(画像はオヤジの新車CL125、昔から金持ちだった)

◆ 8月14日
8月14日、天気くもりのち晴れ、のち雨、またのち晴れという目まぐるしく変わる一日であった。別に天気が変わったのではなく、移動したため、その土地土地での天気が違っていただけなのだが。
朝5時の出発、案の定オヤジが20分遅れる。ヤッチは持病の痔を押しての参加、3日間耐えられるのだろうか?コースは関山峠を越えて天童に入り、酒田経由で男鹿半島を目指す旅、関山峠のトンネルはまさしく、怪談話に登場する。昔のトンネル、入ればひんやりとつめたく、天井からは雫がポトポトと垂れる。
この時、社長は20歳、他の4人は18歳、自分のバイクあり、父親のバイクあり、いろいろ。排気量もいろいろ、社長はスズキの125cc、オヤジはホンダCL125cc、そうマフラーが上に向いているその当時はカッコは最高のバイク、ただ乗ってるオヤジはイメージがあわない。オトモはホンダCD250cc、そうあの月光仮面も乗っていたドリーム号なのだ、ただし父親の所有物、カチョーはスズキの125cc当然ながら、兄貴の持ち物を借りたもの、ヤッチはいつの時代にもかっこいい、ブリジストンの90cc、Tボーンスタイル、外人のような顔立ちにはピッタリのバイク。
山形は新庄にて第一号の転倒、社長である。幸いに本人もバイクも大丈夫
最上川にて第一回の記念撮影、老後の楽しみに撮っておくぞ、同時に最上川で朝食、あゆを食べたかは定かではない。
男鹿半島は寒風山に向かい、カチョーが今度は転倒、バイクの乗り方は決して上手とはいえない。
コケタとはいえ、バイクの調子は順調、一人を除いては、その一人とはオヤジ、徐々に遅れだす。
かっこはいいが、バイクは不調のCLだ。
男鹿の戸賀湾の浜辺でキャンプ、当然ながら初日はカレーライス。カレーにだって塩味は必要と海水の使っての調理、ニガリがきいてきっと美味しいだろうと無謀な第一段、当然ながら味に非常事態が起きたのは想像にまかせます。
夕食後はヤッチお得意の花火大会、フグも巻き添えを食うくらいのフグと花火の音の競演、花火強し、空には満点の星空、明日の晴れが約束されたようなもの、そうそう、感電事故が起きたのもこの時、関山での道路工事現場からお借りしてきた工事用ライトを持って、泳ぎに入った社長、乾電池でも感電することを自らが証明したのもこの時であった。
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◆ 8月15日
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8月15日、天気のち雨
寝苦しいのもあったが早朝(いや未明)から目を覚まし、起きてビックリ、オトモの目が大きく腫上がっている、どうやらゆうべ蚊にくわれたらしい。
トラブル続きを案じさせる一日のスタートでもあった。カチョーが運転免許証がないと大騒ぎ、みんなで探し方でスタート、実はたたんでしまった毛布の中に入ったらしい。
そうそう、この時代だからオートキャンプ用品なるものもなく、当然ながらシェラフなどもない。従って、家庭で使っている毛布を持参した。
一切の道具が家庭用のものであった気がする。
どのようにバイクに積み込んだものか今でもなぞである。
トラブルその2、社長がウロウロしだし、犬が散歩の途中で行うのと同様の行動あ、そう便所を探していたのである。当然ながら、公衆トイレなど整備されている時代でもなく、本人は顔面蒼白の状態である。その後、民家の影に消えて、民家の裏手から薪を手に、さわやかな顔で戻ってきた。